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所有と存在
2013/08/30(Fri)
《教授》:何やら考えているな。ゴミか病気のことか?
《ニック》:どっちも。
《教授》:哲学者のフロムが予測していたな。所有に取り付かれた社会を。人間の傾向は2つあるといった。所有と存在だ。 所有の傾向を持つ人間は、物や財産、人まで手に入れようとするが、存在の傾向を持つ者は、経験を重視する。他社との交流や、分ち合いに意味を見いだす。
《ニック》:そっちが正しいかな。
《教授》今のような商業主義が支配する社会は破滅するとフロムは予言している。所有を指向すれば不満と空虚へと行きつく。1960年代を考えてみろ。トランクルームなんてものはなかった。今、2億平方メートルに近いスペースがある。もっともな話だ。
《ニック》社会のせいということですか?
《教授》社会のせいということにすれば、マルタ(ゴミ屋敷の住人の名前)のような例は今後も有るということだ。意味を与えなくても良い、無視する必要もない。所有は楽しみの一つでもある。生きる邪魔にならなければ良い。
CSI 科学捜査班 シーズン11 #5 ゴミ屋敷の法則(House of Hoarders)の吹替え版の台詞より
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