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「時は金なり」が世界を滅ぼす
2012/07/03(Tue)
「時は金なり」なんてこと言っているから世の中がおかしくなるのです。
証明しましょう。図形の証明などで使う補助線ならぬ補助語を使います。「時は生命(いのち)なり」です。適切でしょう。では三段論法です。
「時は金なり」 「時は生命なり」 故に「生命は金なり」あるいは「金は生命なり」
となっちゃいました。これは正しいでしょうか。もちろん間違いです。もっとも、一部の人には成り立つかもしれません。例えば、金を積んで、人から奪った腎臓を移植する人もいるようです。おぞましいですね。現代の文明の特長ともいえますが。
どこが間違っているのでしょう。当然ですね。時=金としたことです。われわれの文明は時=金にすることにより栄えた文明です。そろそろ、この間違いに気づいて良い頃です。
この矛盾にいち早く気づき、われわれに警告を発したのはドイツの作家ミヒャエル・エンデです。エンデは児童文学「モモ」でその矛盾を告発しました。
『あらすじ:イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たち によって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。しかし貧しくとも友人の 話に耳を傾け、その人自身をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険のなかで奪われた時間を取り戻すというストーリー。
解釈:ストーリーには、忙しさの中で生きることの意味を忘れてしまった人々に対する警鐘が読み 取れる。このモモという物語の中では灰色の男たちによって時間が奪われたという設定のため、多くの人々はこの物語は余裕を忘れた現代人に注意を促すことが目的であるとされている。しかし、エンデ本人が世の中に訴えたかったことは、この「時間」を「お金」に変換し、利子が利子を生む現代の経済システムに疑問を抱かせることが目的だったという事が、のちに発行された『エンデの遺言』という書籍に記載されている。なお、この事に最初に気が付き、エンデ本人に確認を取ったのはドイツの経済学者、ヴェルナーオンケンであるとされる。http://ja.wikipedia.org/wiki/モモ_(児童文学)』
この「時」を「金」に換えた文明が滅ぶのは喜ばしいことではないでしょうか。
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