均整法の原点にもう一度立ち返つて根本的改編

亀井師範口述編集

分かりやすい12種体型

亀井師範の講義を全部聞きなおして編集、初心者に分かりやすく、ベテランももう一度

 均整法を理解する手引書としては「身体均整法入門」というものがあります。亀井先生自ら講義の要点をまとめて、読めば自ずから分かるように書いてありますが、体型とは、三原則とはと自問自答してみるとまだはっきりと把握出来ないもどかしさを感じます。

 均整法は原理・原則を弁えておけばいくらでも新しい技術を編み出すことが出来ます。かつて全国講習会で亀井先生が折に触れては12種体型を説いていたのはそれが均整法の第一歩と考えていたからであります。

 その12種体型が既存の講座集の編集では仲々理解出来なかったのも事実であります。そのために12種体型は難しいものとされて、分かったような、分からないようなままに目先の技術を取り込むことに急で、いつの間にか行き詰まって「治らない均整法」に陥つて行ったのではないでしょうか。このことは均整法の先達も後進の者も反省しなければならないところでしょう。

 私自身も12種体型の理解未だしを痛感して、もう一ぺん勉強のやり直しを決意して、亀井先生が多年に亙つて12種体型について講義された録音テープのありつたけ全部を引つ張り出して聞いてみました。

 収集した沢山の資料からこれを「分かりやすく」如何に編集するかが大きな課題となりました。同じ12種体型について論旨を変えて何べんも繰り返して説かれた講義を「分かりやすい」ということに目標をおいて入念に順序を組み立てました。複雑なものは要約して図表にするなど考えをまとめ易くしました。

 文章は亀井先生の言葉を成るべくそのまま成文化することを心掛けましたが、話の主旨を鮮明にするために冗長を矯めたり、表現を変換せざるを得ないところも多少ありました。

 既存の講座集や均整資料に比べていくらかでも「分かりやすい」ところがあったら苦労の甲斐があったというもので、これとても所詮完壁というわけではなく、次ぎの道のりへの一里塚と思つている次第であります。

(編者・・野村亘行)

「分かりやすい12種体型」の主な項目

◇人間の体型を12種類に分けた◇人間の特色は可動性である◇外が歪めば内部も歪む◇体は何故抑制側に傾くか◇12種体型分類のいきさつ◇椎骨の配列はこうして出来た◇椎骨の4飛ばし8飛ばしの意義◇変位は体の知恵である◇一カ所で体が自由自在になる◇12種体型が何故必要か◇12種体型の見方◇12種体型と三原則◇骨格変位の原因について◇三原則による脊椎変位の観察◇三原則の欠如と付加の例◇三原則による体型の観察◇手技三原則◇12種体型の外形◇12種体型の重心◇各体型別関係椎骨一覧表◇外展体制と内展体制◇12種体型の興奮と抑制◇体型の大まかな捉え方◇体型別太り方の特徴◇12種体型別の性格◇12種体型と病気◇体型と病気の現れ方◇体型の検出法◇体型検出の間違い易い点◇動作の実験による検出法◇12種体型の調整姿形◇体型の相関関係◇体型を四種類に分類◇脊髄神経反射作用一覧

体は何故抑制側に傾くか

 体が揺れるのは故障のある証拠で、抑制側に傾くのはそれを矯正しようとする体の知恵である。体の悪いところは静脈血が滞るために病気が起こる。体が揺れるのは静脈血を心臓へ返す作用がある。静脈がコントロールされると癌でもカタがつくといわれている。

 

B5判 98ページ
価格 6,000円(郵送料含む)
均整操法 資料研究 No23より

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